この記事の内容
○人間には自我があるので、人を変えるためには自我をどうにかする必要がある
○自我をどうにかする方法は、⑴自我を弱らせる&上書きする、⑵自我を矯正する、の2つ
○人を変えることができる場合もあるが、それには専門の設備や相当な労力が必要
「人を変えることはできない。なので、自分が変わるか、その人から離れましょう。」みたいな意見がありますが、それは本当なのか考えてみました。
結論から言うと、人を変えることができる場合もあるがそれには相当な労力がかかる、ということです。
ちなみに、今回の「人を変える」は、
・自分の思う通りの人間にする(ハキハキした人間になりなさい、メンヘラをやめなさい、など)
・単純に元の性格と変える(依存症にする、廃人にする、など)
の2つが混ざっています。
目次
①人間には自我がある
②人を変えるための方法
⑴自我を弱らせる&上書きする
⑵自我を矯正する
①人間には自我がある
まず、人間には自我があります。
自我には色々な定義があると思いますが、私的には「自分の価値観、自分の好きなこと・嫌いなこと、自分の信念」など自分自身を構成する精神的要素の塊が自我だと思っています。
こう言う自我(価値観、好き嫌い、信念)を人間は何年もかけて作っていくわけで、
20年生きた人間は20年ものの自我、
40年生きた人間は40年ものの自我、を持っています。
人を変えるためにはこのような自我を変えなくてはならないのですが、20年や40年かけて作られた自我を変えるのは相当難しいと考えられます。
少なくとも1時間程度の説教で変わるわけがありません。
(明日からこれを好きになれ、その信念は間違っているから明日から改めなさい、とかは無理がある)
これが、人を変えることができない、ということだと思います。
②人を変えるための方法
人間には自我があるので、自分の思うようにはコントロールできません。
(自分が思う通りの人間に変えることはできない)
では、実際にそうなのでしょうか?
個人的には、以下の2つの方法で人を変えることができる(場合もある)と考えています。
⑴自我を弱らせる&上書きする
⑵自我を矯正する
⑴自我を弱らせる
まず、⑴自我を弱らせる&上書きする、についてですが、これは洗脳やDV、などが該当します。
洗脳を日常的に繰り返したり、DVを日常的に繰り返したりすれば、自我が弱るので相手に言うことを聞かせやすくなります。
こういう行いを繰り返し、相手の自我に新しい要素を刷り込んでいけば、人を変えられると思います。
(お前はダメな人間だからこういうことをされるんだ、ということを日常的に行っていけば、だんだんと相手は私はダメな人間なんだ、という価値観を持つように変わっていくはず)
ただ、そのような自我が弱った人間も、洗脳がない環境に隔離される、DVがない環境に隔離される、ということが起これば、だんだんと元の自我を取り戻します。
そういう意味では、自我を永遠に変える、というのはこの方法では難しいです。
(それほどまでに自我は強い)
⑵自我を矯正する
現実的にできるのは、⑵自我を矯正する、だと思います。
これは、しつけ、少年院、更生施設、などが該当します。
幼い頃はまだ自我が薄いので、しつけによって自我を矯正することができるはずです。
・人に優しくしよう
・泥棒は悪いこと などを教えて、その価値観を刷り込む
(矯正 → 自分が考える正しい思想にすること)
また、大きくなってもある程度は自我を変えることができるはずです。
少年院や刑務所で行う、囚人を社会復帰させるためのプログラムなどが大きい人間の矯正に値すると思います(なぜ悪いことをしてはいけないのか、相手側の気持ちを考えましょう、みたいなことを教えていくことで、価値観などを矯正する)。
これは子どものしつけと同じですが、大きくなった分、自我が強くなるので、これを矯正するのは子どもよりも相当労力がかかります。
→ 年単位のプログラムや専門知識を持った人材、専用の設備など
ただ、ここまでやっても再犯する場合もあるので、やはり自我というものは相当強いと考えられます。
ここまでを踏まえて考えると、結論としては「プロが相当な労力をかければ人を変えることができる場合もある」となるかと思います。
言い換えれば、素人が1人で人を変えるのはほぼ不可能と言えます。
以上、人を変えることができるのか、について考えたことでした。
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